夏の代表的な釣りといえば、キス釣りではないでしょうか?
夏に近づくと砂浜(サーフ)や海底が砂地の釣り場はキス釣り客で賑わいます。
初心者からベテランまで幅広い層に人気を誇る理由は、プルプルと心地よいアタリと食べて美味しいところです。コツさえわかれば、意外と簡単に釣れるのも魅力です。
キス釣りの基本とたくさん釣るためのポイントをご紹介します。
キスの生態
キスの生態を知れば、釣れる時期や狙い方もわかってきます。釣果アップのために知っておきましょう。
キスの食事~虫エサ(多毛類)、甲殻類、貝類~
キスは、海底に潜むイシゴカイやアオイソメ(虫エサ)を捕食しています。
小型のエビやカニも食べるのですが、意外と知られていないのが、貝類です。
アサリやマテ貝のような貝も捕食しているので、釣り場に生息している場合は使ってみるのもおもしろいですね。
キスの季節ごとの行動
3月~5月 「水温の上昇とともに浅瀬へ移動」
冬場に過ごした深場から、水温が上昇するとともに徐々に浅瀬へと移動してきます。
6月~9月 「産卵のため浅場へやってくる」
産卵を控えているため活発に捕食を行います。
水深が1mも無いような場所でもキスの姿を確認できるくらい活性が高くなります。
9月~12月 「水温低下により徐々に深場へと移動していく」
秋に入り水温が下がってくると、キスも徐々に深場へと移動していきます。
体長が30cm前後の大型のキスに出会えることもある季節です。
12月~2月 「深場でじっとしている」
この時期は、沖の深い場所でじっとしているので狙うのが難しくなります。
さらに、悪天候が重なるとキスは増々動かなくなってしまうので、狙う場合は
100m以上の遠投が必要になります。
遠投キス釣りに必要な道具
キスを確実にたくさん釣りたいという方は、広範囲を狙うことができる遠投が必須になってきます。
そのための道具をご紹介します。
投げ釣り道具は他と何がちがう?!
大きな違いは、遠投に必要な部分があるかどうかです。
投げ釣り用の道具の特徴を道具別にお伝えしていきます。
竿
遠投するなら、20~30号のおもりが投げられる投げ釣り用の竿を用意しておきましょう。
4m前後の投げ釣り竿をおすすめする理由は、飛距離と扱いやすさです。
竿が長くなればなるほど飛距離は伸びていきますが、その分投げにくくもなります。飛距離も出て、扱いやすい4m前後をおすすめします。
リール
投げ釣り用のスピニングリールで、ラインを200m以上巻ける物を用意しましょう。
投げ釣り用リールの特徴は、糸の出方と巻取り量です。
スプール径(糸を巻く部分)が大きく、溝が浅いため、糸が放出しやすい形状になっています。
遠投した仕掛けを速く回収できるように、ハンドル一回転での巻取り量も多くなっています。
ライン(糸)
初めのうちはナイロンラインでも大丈夫ですが、飛距離を伸ばしていくにはPEラインが必須です。
細くなればなるほど飛距離が伸びるので、キスしか狙わない場合は0.6号もおすすめです。
一定の間隔で色が変わっているラインを使うと、アタリが出た場所を覚えやすくて便利です。
力糸
ナイロンの力糸を使用しましょう。
おもりを投げた時にPEラインに負担がかかり切れてしまうことがあります。
力糸をつけることで、PEラインにかかる負担を力糸にかけるようにします。
そうすることで、PEラインで飛距離は確保しつつ、力糸で負担を軽減させることができます。
おもり(仕掛け)
15~30号がおすすめです。
投げ釣り初心者の場合は、15号から始めて、徐々に30号へとあげてきましょう。
そうすることで、投げ損なった時に仕掛けを失うリスクを減らすことができます。
これより軽いおもりも使用できますが、飛距離がでないのでおすすめはできません。
エサ(虫エサ)
アオイソメやイシゴカイ(虫エサ)がメインになります。
生きた虫エサが苦手な方は、人工の虫エサ(パワーイソメ)を使いましょう。
虫エサには劣りますが、オキアミや小さくカットした貝でも釣ることができます。
人工餌は、鮮度を気にしなくていいので、持っておいて損はありません。
キス釣りの仕掛け
天秤仕掛け(てんびんしかけ)
テンビン仕掛けには固定式と遊動式があります。
好みで選んで構いませんが、遊動式の方が根がかかりがしにくい仕様になっています。
固定式は、上の画像のように「ステンレス棒→おもり→ステンレス棒→ハリス→針」になっています。
遊動式は、おもりの部分が動くようになっていています。
ジェット天秤と呼ばれる写真のタイプは、さらに根がかかりがしにくいようになっています。
キス釣りの仕掛けを揃える時は「ジェット天秤」と「キス仕掛け(針)」を購入しておくと、すぐにキス釣りを楽しめます。
釣り方は2種類
キス釣りの釣り方は、2種類に分けられます。
海底をずるずる引きずる「引き釣り」と投げてポイントに仕掛けを放置する「置き釣り」です。
引き釣り
一回目の遠投の時は、地形の変化を見逃さないように特にゆっくり引いてきましょう。
地形の変化やアタリがあったポイントを覚えておいて、そこを中心に狙っていきましょう。
エサは虫エサをカットして、短めにすることで食いついたキスが針にかかりやすくします。
置き竿(置き釣り)
置き竿にする時は、エサを長めにつけておくことが大切です。
エサをカットせず、長めにつけておくことで周辺にいるキスにアピールすることができます。
引き釣りと置き竿の使い分け
キスの活性が高い時期や時間帯の時は引き釣りをおすすめします。
仕掛けを引きずりながら、広範囲を探ることでキスの居場所を突き止めましょう。
逆に活性が低い日は、置き竿にしてゆっくりと待つのもいいですね。
キス以外の思わぬゲストにも出会えるかもしれません。
キスを釣るために押さえておくべきポイント
エサの付け方と長さ
1~2cmの長さにカットして針に付けましょう。
特に、引き釣りをする場合は、エサが長すぎるとちぎれたり、食っても針にかからなかったりするので、短くすることをおすすめします。
置き竿の場合は長くしておきましょう。
虫エサを一本そのまま付けてアピールしても良いですし、半分か3分の1にカットして使っても良いです。
投げる時の注意
かけあがりなどのポイントを見つけた時の注意点です。
狙ったポイントに直接投げ込むと、キスが驚いて逃げてしまいます。
それは絶対に避けたいところなので、ポイントの少し奥へ投げ込み、ポイントまで引きずっていきましょう。
おすすめのキス釣り道具紹介
キス釣り歴も10年を超えました。
色々な道具を使ってきた中で、「手頃な値段・使い易く・長年使える」もので、1万円前後のロッドとリールを紹介します。
投げ釣りで飛距離を伸ばしラインブレイクを防ぐために重要になる、PEラインと力糸も紹介します。
こちらの道具は実際に使っておすすめできる物ですが、予算が厳しい方は、ワンランク下の一万円以下の物でも大丈夫です。
キス釣りは楽しむことが大切ですので。
おすすめの狙う時期
狙う時期は、6月~9月です。
砂浜なら、足元付近でキスを確認することもできるくらい浅瀬へとやってきます。
さらに、産卵を控えている時期なので、活発に捕食を行います。
6月から群れもどんどん大きくなってくるので、一度釣れると大漁のキスに出会える可能性が高くなります。
楽しみ方と注意点
楽しみ方
遠投してキスがいるところを探すのが楽しみの一つですね。
キスが集まりやすいところを探って、見つけた時には大量の釣果が見込めます。
嬉しい瞬間ですね。
群れでいるキスの特徴を活かして、アタリがあった時には、そこで待つかゆっくり引き釣りをして誘いましょう。
2匹、3匹と数釣りが楽しめます。
注意点
遠投しようとすると、PEラインが切れたり、PEと力糸の結び目で抜けたりすることがあります。
ラインの傷や劣化などによるもので、防ぎようがないことです。
そうなった時のために、仕掛けは多めに持っていきましょう。
ちょい投げでもキスが釣れる?!
浅瀬にキスが集まる、6~8月はちょい投げでキスを狙うことができます。
遠投する道具を揃えてまで…と思う方は、ちょい投げでキスを狙ってみてください。
まとめ
夏を代表する釣りはキス釣りです。
6月~9月にかけては大量のキスに出会えるチャンスです。
季節によるキスの動きや好む場所、群れを作る習性を覚えると、たくさんのキスを釣ることができます。釣ったキスは美味しくいただいてください。