生きた小型の魚をエサとして、大型の魚を釣りあげる釣りを「のませ・泳がせ釣り」と言います。
生きた餌を使うことで、青物の反応もよくルアーに食い渋る時期でも、大型魚を釣ることができます。
メインとなるターゲットは、青物やフラットフィッシュです。思わぬゲストに出会えるのもこの釣りの魅力です。
生きた餌を泳がせる方法は大きく分けると3種類+αあるので、詳しく解説しつつ、基本となる方法や道具もお伝えします。
実は簡単に始められる「のませ・泳がせ釣り」なので、この機会に覚えてみてください。
のませ・泳がせ釣りの基本
「のませ・泳がせ釣り」は、生きたアジなどの小魚をエサにして、海の中を泳がせて大物を狙う釣り方です。青物やヒラメなどの強烈な引きが楽しめる釣りになっています。
また、食べても美味しいことから人気の釣りです。
特に「大型魚を狙いたい」「ショアジギングは疲れるけど大型魚との駆け引きを楽しみたい」そんな方におすすめの釣りになっています。
仕掛けは簡単な物が多く、準備に時間もお金もかかりません。
のませ・泳がせ釣りに必要な道具
ロッド・竿:磯竿3~5号 ロッドエギングロッド以上の硬い竿(ショアジギ用おすすめ)
リール:4000番以上の中・大型リール
糸:ナイロン3~5号 PE2号以上(おすすめはナイロン)
エサ:アジ、ウグイ(銀平)、サバ、イワシ、コノシロ、など
仕掛け:全仕掛け共通でチヌ針4~8号 伊勢尼10~15号
ウキ釣り→ウキ1~6号
胴付き→おもり10~20号
エレベーター→おもり10~20号
☆飲ませ釣りセットなら、ウキ、ウキ止め、針などすべてセットになっています。
初めての場合は、それらを購入するのがおすすめです。
その他:水汲みバケツ、ポンプ、魚すくう網、タモ網、フィッシュグリップ。
3種類の仕掛け+α
ここでは、メインとなる3つの釣り方と+αで限られた時にしかできない釣り方をご紹介していきます。
エレベーター仕掛け←おすすめ
この釣り方が一番おすすめの方法です。
エレベーター仕掛けは、狙ったところにおもりを投げ込みスナップ付きの針にエサをつけて道糸につないでおもりのところまでエサを送り込む方法です。
狙ったところにエサを投入できること、お隣とからまることがないこと、この2つがエレベーター仕掛けの最大の特徴です。
リールに巻いたライン(道糸)の先に直接おもりをつけてもいけます。捨て糸をすると、上の画像に書かれているように、仕掛けを回収できるようになりますが、手間が一つ増えてしまうので、私は直接ラインにおもりをつけています。根がかかりが多いところを避ければ直接おもりをつけても切れる心配はありません。
最低限必要な仕掛け
おもり:10~20号 潮の流れが強い時は号数を上げる
ハリ:スナップ付きチヌ針8号 伊勢尼13号 ←おすすめ
ウキ仕掛け
最低限必要な仕掛け
ウキ:6号前後がおすすめ
ウキ止め:ライン(道糸)に合わせた物
ハリ:チヌ針8号 伊勢尼13号 ←おすすめ
胴付き仕掛け
胴付き仕掛けは、基本的に足元に落とすかちょい投げしかけできません。エサが着いた状態でフルスイングで投げてしまうと、エサが身切れして飛んでいってしまいます。足元の回遊を待つか、ヒラメなどを狙う時に使うのをおすすめします。
最低限必要な仕掛け
おもり:5~15号(足元なら軽くてOK)
ハリ:チヌ針8号 伊勢尼13号 ←おすすめ
仕掛け:胴付き仕掛けを購入すると、針がついていてその先におもりがつけられるようになっているので、最初はそちらがおすすめです。
おすすめのエサと用意の方法
おすすめのエサはなんといっても「アジ」です。
「アジ」は人が食べても美味しいと思えるくらいの魚なので、大型魚からしても魅力的なエサです。
他にも「ウグイ(銀平)、イワシ、サバ、コノシロ」などが、「飲ませ・泳がせ釣り」で活躍してくれる生き餌になります。
最低5匹くらいはあると安心できますね。
釣り具屋で入手
「アジやウグイ」は釣り具屋で入手することができます。店舗によって大きさが違うので、余裕がある時はいくつかの店舗を回ってお好みのサイズのエサを探すのがいいですね。サイズ選びの目安として、近辺で回遊している大きさや、青物が食べやすい15cm前後を目安に選ぶと良いです。
回遊している青物のサイズに合わせるのもいいですね。
アジは1匹220円前後。ウグイは150円前後で購入可能です。
現地調達~釣る~
アジやウグイは、釣り具屋で購入可能ですが、それ以外のエサになると、売っているところがほとんどないので、現地で調達、釣るしかありません。もちろんアジも現地調達が可能です。
購入と現地調達のメリットデメリット
購入のメリット:釣り場についたらすぐに釣りを開始できます。
購入のデメリット:お金がかかる。現地にあったエサでない場合がある。
水温の違いによって魚が弱るので、釣り場の海水でエサをならす必要がある。
現地調達のメリット:現地にいるエサなので、大型魚に違和感を与えず食いつきがいい。
現地調達のデメリット:現地にエサとなる小魚がいないと釣りにならない。
どちらも一長一短あります。お金に余裕があるなら、またはすぐに釣りをしたいなら購入していくことをおすすめします。また、小魚の回遊情報があるなら、のませ・泳がせ釣りの現場に行く前に、別の場所でエサとなる小魚を確保してから向かうのも良い方法ですね。
エサの付け方3種類
エサの付け方は大きく分けて3種類あります。それぞれメリットとデメリットもあるので紹介していきます。
背がけ←おすすめ
背びれの邪魔にならないように左右対称になるように針を通します。
泳ぎの邪魔にならない針のかけかたで、針もはずれにくいのですが、身に針を通すので、時間が経つにつれてアジが弱ってくることがあります。
一番おすすめの方法です。
鼻がけ
エサの鼻の穴に針を通す方法です。身を傷つけることがないので、アジの自然な動きを再現できます。
しかし、元々空いている穴に針を通すので、外れてしまう確率が高いです。
尾がけ
アジの尾っぽ付近にある「ゼイゴ」という硬い部分に針を通すので、一番とれにくい方法です。
後ろに針がついているので前に進む邪魔に藻ならないのですが、尾っぽの近くなので泳ぎの妨げになりアジの疲れが増すのが早くなります。
この方法は、アオリイカのヤエン仕掛けで使うことが多いので、青物以外にアオリイカがいる場合はこのかけ方が有効です。
釣り方
釣り方は簡単で、3種類の仕掛けでほとんど共通しています。
釣り方
①仕掛けにエサをつけて海に投入
②リールのドラグをゆるゆるにする←別の方法もあり
③大型魚がエサを食うとライン(糸)が出ていくので、止まるのを待つ
④ラインが止まったら、ラインを張って魚の反応を確かめる←詳しく解説
⑤ドラグを締めて、ラインを張った状態で合わせる
⑥手前まできたらタモ網ですくう
まずは、②についてです。リールのドラグを糸を引っ張ったらすぐにでるくらいゆるゆるにしておくことです。大型魚が加えて走った時に、違和感を与えず吐き出させないようにするためです。
ドラグ調整が苦手な方は、リールのベールを起こして、糸をフリーの状態にしておくと、魚がくわえて走っても、違和感あを与えずに飲ませることができます。
④のラインを張って魚の反応を確かめるでは、魚がエサをはなしていないかを確認する作業です。経験を積めば、竿を握ればわかってきますが、経験が浅いうちは、ラインを引っ張ってみて、ぶるぶるとする感覚があれば、魚がついていると思っていいです。
注意点
場所に合わせた釣り方をする
釣りをする場所が人気のエリアだと、ウキ釣りをしていたら横に流れてお隣の人とお祭りしてしまいます。人の多さによって釣り方を変えることが必要になってきます。
人気のエリアで人が多い時は、「胴付き仕掛け」や「エレベーター仕掛け」を活用しましょう。
また、人が少ないエリアや間隔がとれるエリアでは、「ウキ仕掛け」や「フリーの泳がせ」を行うことで、魚本来の自然な動きに近づけることができ、釣果アップにつながります。
エサの確保
この釣りでは、エサの確保が最重要になります。現地調達でいこうと思っても、小魚が釣れないと話になりません。事前に情報を集めて、小魚が釣れそうにない場合は、購入していくことをおすすめします。
また、現地でアジが釣れない!スズメダイの小さいのしか釣れない!そんな時は、その釣れたスズメダイをエサにして泳がせ釣りをするのもおもしろいですよ!どんな小魚でも、意外とエサとして使えるので、試してみるのもいいですよ。
まとめ
「のませ・泳がせ釣り」は、青物やフラットフィッシュ、大型の魚が簡単に狙えて楽しい釣りです。この機会にぜひチャレンジしてみてください。3種類の仕掛けをすべて覚えなくても、自分がやりやすい仕掛け(釣り方)から始めてみるのがおすすめです。色々アレンジしてみるのも楽しいですよ。
サビキ釣りや根魚釣りに飽きてきた人、大物狙いをしてみたい人におすすめの釣りです。