最近話題になっているのは、小学校から「外国語学習とプログラミング学習」が本格的に始まったことです。ニュースなどで聞いた方も多いかと思います。
情報化社会の到来で、時代の変化が早くなりました。取り残されないように、ぜひ、お子さんの基礎の部分を作れるようにサポートしてあげてください。
- してみたいことを3つ挙げる
- 親からみて合いそうなことをさりげなく見せる
- 実際に行う
この3つを行えば、お子さんに合った家庭教育が見つかり、基礎作りができます。
以下に具体的に解説していきます。
学習指導要領からみる教育の歴史と問題点
学校教育の歴史を短くまとめてみましたので、興味がない方は次へ飛ばしてください。
学習指導要領とは、小学校、中学校、高等学校で何を教えるのかということが定められているものです。大型書店に行けば売っていて、一般の方でも数百円で購入できます。
小学校を例に挙げると、小学校全体のことが書かれているものと教科別のものがあります。よくニュースなどで目にしたり、聞いたりするのはこの全体が書かれているものが多いです。
詳しく解説するとすごい量になってしまうので、今回はおおまかな流れのみお伝えします。
戦後の試案から始まり、2017年の改定で、8回目です。2017年の改定の主な内容は、「外国語学習やプログラミング学習」が入ったことです。さらに、今までは「教え込みや詰め込み教育」が中心になっていましたが、「主体的、対話的」に学ぶことがより重視されています。わかりやすく伝えると、「知識や技能を活かして、思考を働かせ、他者と共有し、自分の考えを表現することで、主体的に学んでいく人間性を育てる」…みたいな感じです。詳しく知りたい方は、学習指導要領を購入してみてください。
「詰め込み教育」「ゆとり教育」「脱ゆとり教育」「主体的に学ぶ(外国語・プログラミング)」
約10年に一度改定が行われています。私の感覚では、時代の動きが早いこのご時世に、10年に一度しか改定されないことが問題であると捉えています。2015年、2017年に道徳教育の教科化や外国語学習、プログラミング学習などの一部改定もありましたが、本質的な部分は変わっていません。
教育関係に興味がある人なら、聞いたことがあるかもしれませんが、日本の教育は100年以上変わっていない。
どこら辺が?と思う方に、わかりやすくお伝えします。
ずばり、「同じ年齢の子が、同じペースで、同じ内容を学ぶ」ことです。しかも、一緒に学ぶクラスの人数が教師1人に対して40人です。
ここが大きな問題点です。この方法では、一度授業についていけなくなってしまった子は、取り残されていくばかりです。
算数を例にあげると、かけ算はできたけど、わり算でつまづいた。しかし、そのまま進んでいくので、わり算がわからないままです。学年があがっても、当然わり算はわかりません。そこでさらに、小数や分数のわり算が入ってきます。
当然わかりませんよね。
教科を例にあげましたが、人とのコミュニケーションの取り方や人間関係、好きなことを学習する方法なども同じで、つまづいたままになってしまうことが多くあります。
教師もフォローはしますが、40対1では限界がありますよね。
そこで必要なのが、家庭教育というわけです。
家庭教育と必要な理由

家庭教育とは、親が子どもに生活していく上で必要なスキルを身につけるために手助けをすることです。そして、わが子のためだけにする教育なので、教科の学習ではなく、好きなことについて学習することです。もちろん教科の学習も取り入れても構いません。
家庭で教育を行うことで、学びに向かう姿勢を作ってあげることが大切です。学校で教科の学習がうまくいかず、学習自体が嫌いになってしまう子も多くいます。
そんな時に、しっかり自信がもてるようにしてあげることが、今後の人生に大きく影響してきます。教科の学習だけがすべてではなく、大人になり社会に出ると、様々な学びの中で成長していきます。学校で学ぶ内容は大切なことばかりですが、社会の中で自分の力で生きていくために、人間としての基礎を作ることも、とても大切です。
だからこそ必要な家庭教育です。
具体的な手順
手順を説明する前に一つ。
子どもの気持ちを尊重する。ここは、必ず押さえておいてください。親からみて、「これが必要だからしなさい」という風に強要するのではなく、あくまでも自ら進んで学ぼうとする環境を提供してあげることが大切です。
1.してみたいことを3つ挙げる
まずは、子どもにしてみたいことを3つ聞いてみましょう。3つ聞くことがポイントです。そして、紙に書きだしましょう。自分で書いてもいいのですが、書くことに時間がかかる場合は、代わりに書いてあげましょう。
紙に書くことで、イメージしやすくなります。
紙に書きだしておくことで、もし、3つ行ってみてもどれもしっくりこない場合は、そこから線を足し、似ていることを探せるようになります。
例:生き物が好きだから、水族館に行って魚の絵を描いてみた。でも、それ以上の興味がわかなかった。
そのような場合に、魚の絵を描くのではなく、魚を飼育するに変えてみたり、魚釣りをしてみたりといった具合に派生させることができます。
そこで楽しみを覚えてから、日記などにつなげることができます。
紙に書きだすことで、視覚的に捉えることができ、可能性はどんどん広がっていきます。
2.親からみた合いそうなことをさりげなく見せる
紙にかきだしたけど、うまくいかない場合には、親からみた合いそうなことをさりげなく見せてみてください。
興味がありそうな分野の本を、机に置いておく。テレビ番組や動画を一緒に観る。などです。どちらも、一緒にみて、気になるところやわからないところを教えてあげるとさらに興味がわくことがあります。
一番のおすすめは、親がしている姿をみせることです。
実際に人がしていることをみるとイメージがわきやすく、さらに安心できる親がしていることなので、きっかけ作りには最適です。
3.実際に行う
実際に行う時の注意点です。親が知っていることだと横から口出ししたくなることもあると思いますが、静かに見守りましょう。気になることやわからないことがあれば、補足程度に伝えてあげることが大切です。
あくまでも、子どもの気持ちを尊重することを忘れず、自ら選択し、行動できるようにサポートすることが大切です。そこが自信につながっていきます。
そして、始めたばかりのことでも続かないことは多々あります。そんな時は、すんなりやめることができるようにしてあげましょう。「せっかく始めたんだから、もう少し続けてみたら?」と思う気持ちもわかりますが、子どもの気持ちを尊重することを忘れずにしましょう。
もし、「続けたいけど、どうしようか…」と迷っていたり、「自分にできるかな…」と不安がっていたりする場合には、背中を押す意味を込めて続けるようにすすめてあげましょう。
しっかりと子どもの様子をみてあげることが必要ですね。
このような親と子の関わりも家庭教育の一つです。家庭教育から得た、親と子の関係や、知識、体験などは、大人になって社会の中で生きていく上でとても役に立ちます。
ぜひこの機会に家庭教育を始めてみてください。